祇園点景

八坂鳥居

重文の鳥居もあれば 不浄よけのミニ鳥居も

神社の参道の入口に立っている鳥居は、神域をしめす一種の門です。

京都では、蚕の社の三つ組の鳥居と、反花座の蓮座が柱の底部に坐っている北野さんの伴氏社の石鳥居と、京都御苑内にある厳島神社の唐破風の鳥居の三つを、一風変わっていることから京都三珍と呼びます。

祇園さんの正入口にある堂々たる石鳥居は重文。日本中で一番の石鳥居ということから大正2年に特別保護建造物と指定を受けました。
おおやけの参拝は西楼門からではなく、神幸道を通ってこの鳥居から入ります。もちろん祇園祭の行列も神輿もこの鳥居から出入りします。

繁華街の一角や、路次の入口や塀の下などにときどき見かけるてのひら大の小さな鳥居は、公衆道徳心ゼロの不心得者に対する町の人々の自衛作です。千本鳥居の状観で知られる伏見の稲荷大社から授与されたもの。
かつて洛中の辻々には桶の辻便所がありました。この今でいう公衆トイレが明治維新後に消えてから、ミニ鳥居の出番がふえたのは残念。
1日も早く、京の町からミニ鳥居が消えますように。

八坂鳥居

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