祇園点景

正月迎え

注連縄を張ってはればれと正月迎え

めでたいお正月、年神さまを迎えて、その年の無事息災と商売繁盛を祈願するには、注連縄を張って神を招くにふさわしい清浄な場を用意せねばなりません。

注連縄は七五三縄とも書き、略してしめともいいます。七五三の七は、天神(てんのかみ)七代の形、五は地神(ちのかみ)五代の形、三は三貴子(みはしらのうづのみこ)をかたどったもの。合わせた十五という数字は天道の意。前垂注連、牛蒡、ちょろけん、玉、注連…と縄の編み方、作り方でいろいろのしめがあるようです。

家ごとに多少の違いがありますが、祇園の正月飾りは、例えば「笑う門には福来たる」の縁起をかついで、笑門札のまわりに御幣の紙や譲り葉を飾ったりします。

注連縄を作っているのは、白川女の里である北白川や洛北の農家の女性たちです。
主材料の藁は米どころの江州から買込み、得意先の注文に応じられるように、できるだけ多くの種類をつくります。
十二月の初めごろから夜なべ仕事で作りあげた注連を、裏白、譲り葉、正月用の花とともに車に積みこみ、待ちわびる家々にと運びます。

恵方棚の周りにも届いた注連を張り、新年を迎えるこころははれやかです。

正月迎え

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