祇園点景

八朔

8月1日は、「八朔」 京のお中元はこの日がはじまり

旧暦の8月1日の節日を「八朔」といいます。「朔」は月の始めの第一日めのこと。
仲秋名月は穂掛祭、10月の亥の子祭は収穫後の田の神送りと、日本の民間行事は耕作に関わるものが多いのが特徴。「田の実(稲の穂)の節」ともいいます。

初穂刈りの実りを感謝し祝い、さらに収穫どきの豊作を願って田の神さまに作頼みしたことから田の実転じて「頼みの節」の意味も合わせ持つことになりました。
『辨内侍日記』(宝治元年1247)に「8月1日、宮の御方より御たきものを侍りしに」とあって八朔に香の贈答などしたことが推察できます。

農家が田の神に感謝した祭事が、日ごろ庇護を受けている「たのむ」人に贈り物をする風習と結びつき、公家や武家社会でも行われました。
京都をはじめ西日本各地で、お中元の挨拶を8月1日からはじめるのは、この習俗が商家の八朔贈答となった結果です。祇園の花街では、礼装をした芸舞妓さんが、茶屋や芸事の師匠宅へ挨拶にまわります。

八朔姫瓜の節供といって、化粧をした姫瓜を人形に仕立て遊ぶ八朔姫瓜の節句という女の子の遊びもあったとか。京の昔は雅びでした。

八朔

ページ上部へ