忠盛燈籠
源平のロマン香る
『源平盛衰記』によると、白川法皇が祇園感神院(八坂神社)へ参詣の途中、目にとめられた美しい女房のことを世間では女御と敬称したとか。世にいう祇園女御。
ある五月雨を降る夜、日頃ご寵愛の女御のもとへ、暗い夜道を急ぐ法皇一行が出会ったのが、光る物と手に槌のような物を持ち、白銀の頭毛を逆立てた怪物。あまりの恐ろしさにたじろぐ供づれの北面の武士のなかで、ひとり勇敢に立ち向かったのが平忠盛。蛮勇をふるってとらえて見れば、正体は燈籠に火を点けてまわる感神院の法師だったとか。
褒賞として忠盛に下賜された祇園女御は、すでに法皇の子を懐胎していて、生まれたのが平清盛である・・・と物語は綴っています。
ロマンを今に伝える燈籠は「忠盛燈籠」の名で、八坂神社境内にあります。