祇園点景

祇園のえべっさん

七福神のひとり、えべっさんは、海の彼方の常世の国から招来した神さまで、豊漁や豊作をもたらす守護神。商売繁昌の福の神さまでもあります。

えびす信仰は、商人の多い関西をはじめとして、全国的に根強く人気を集めています。

「えびす」は恵美須、恵比須、夷、戎、蛭子などと書きますが、祇園さんでは、イザナギとイザナミの二柱の神さまが結婚。最初に生まれた子「蛭子」にちなみ「蛭子社」と表記、えびす社とよんでいます。「ひるこ」とは日子、日の御子で『広辞苑』などによると天照大神が女性の太陽神で、日子は男性の太陽神のことともいうそうですが、さてどうでしょうか。

社歴によると、もともとは境内に三社の蛭子社があったと伝えられていて、そのうちの一つが現存する蛭子社。北向きに建っているので「北向蛭子社」といいます。

有名な今宮戎は、祇園さんの氏子が今宮に移り住んで、えべっさんをお祀りしたのがその起源とか。毎年大晦日には今宮戎神社の神職をはじめ福娘などがそろって八坂神社に鯛を、祇園祭には奉幣をそれぞれ献上する習わしになっています。えべっさんのルーツはこちら、蛭子社というゆえんです。

1月9・10日の両日は商売繁昌を祈願した福笹の授与があります。9日は四条通に蛭子船が出て、七福神が笑顔と福を振舞います。あやかりたい人は、ぜひ。

祇園のえべっさん

ページ上部へ