祇園点景

神紋

胡瓜、それとも瓜 祇園さんの神紋

京の夏野菜の代表格で、もろきゅうよし、うざくよし、浅漬けよしの胡瓜が祇園社の神紋かもという説、ご存知でしょうか。
祇園社の神さまが胡瓜の上に降臨したのでその切断面を模したは俗伝で、真説は、織田信長の幟印の木瓜であるなどと、こもごも。

『和漢三才図会』には、「祇園神、胡瓜の社地に入る事を禁ず。産土(うぶすな)の人、これを食ふ事を忌む」との記載があり、昔の京都では胡瓜を食べる人が少なかったようです。
「祇園会や胡瓜花さく所まで 超波」という句があるほどで、祇園祭の行列も胡瓜畑の手前で止まるのがしきたりだったようです。

胡瓜のさなごの形と、祇園さんの棟や神輿についている瓜の紋と類似していることから、「さわらぬ神に」と食べるのを遠慮したのでしょう。
もっとも江戸時代には、牛頭天王への供物として、初なりの胡瓜は川へ流したものとか。取って食おうと天王を追いかけてきた鬼が、胡瓜の蔓に足を取られて転倒。以来胡瓜は祇園の神の神使となったと伝える地方もある一方、祇園神は大の好物だったが、夢で目を傷められたから、仇の胡瓜は食べませんと、きらう地方もあります。

いずれにしても、胡瓜と瓜と祇園さんの神紋を話の種に飲むビール、ほんとうに美味。

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