迎賓館
むかし、煙草王の迎賓館 いま、喫茶&レストラン
京都のキャッチフレーズは、むかしもいまも「古くて新らしいまち」です。事実、王朝千年の古い歴史を持ちながら、いちはやく、文明開化のスタートを切りました。
郵便役所ができ、書状集め函(ポスト)が市中4ヶ所に置かれたのが明治4年。ちなみに開所当日の郵便物は21通なり。
鉄道の七条ステーションは明治10年開業。明治23年には疎水(運河)開通。水力発電所も付設されました。輸送手段も、平安時代からの牛車から船へとさまがわり。人々は屋形船遊びに興じたとか。
「明治ハイカラ」といいますが、明治時代の京都は、まさに時代の先端を優雅にひた走るハイカラ都市でした。
円山公園にある「長楽館」は往時、「京の迎賓館」といわれたハイカラを代表する建造物の一つ。天狗煙草の岩谷松平、牡丹煙草の千葉松兵衛と並ぶ明治の煙草王、サンライズの村井吉兵衛が別荘をかねた迎賓館として建てたものです。
設計は赤坂御所で有名となった米国人のガーディナー氏に依頼。外観はルネッサンス様式(狛犬もいますが)、内部は部屋によりロココ調や、ヴィクトリア調などスタイルが違い、三階は和風書院造りと和洋一体。かつての迎賓館は今、ホテル&喫茶店&レストラン。
鹿鳴館さながらの日々を偲びながら楽しむ1杯のカフェ。明治のよき日が香り立ってくるようです。